ビューティー&ヘルスケア特集 Vol.32「体脂肪率」で健康管理〜健康で快適なカラダづくりを〜ビューティー&ヘルスケア特集 Vol.32「体脂肪率」で健康管理〜健康で快適なカラダづくりを〜

体脂肪率は健康のバロメーター

自分の体脂肪率を把握していますか?健康的で引き締まったカラダの基準として「体脂肪率」に注目する人が増えています。しかし、体脂肪率が何なのかを理解している人は少ないかもしれません。体脂肪率は低いほどよいのでしょうか。体脂肪とはそもそも何なのでしょうか。

日々手軽にチェックできる健康のバロメーターのひとつ、「体脂肪率」を健康管理に上手に活かすために、専門家とともに詳しくみていきましょう。

体脂肪には2種類あります

「体脂肪」は健康なカラダを維持するために必要なものです。エネルギーを蓄えたり、体温を保ったり、衝撃からカラダを守ったり、ホルモンバランスを正常に保つ役割を担っています。しかし、必要以上に増え過ぎたり、極端に少なかったりすると、健康を損なうことがあります。「皮下脂肪」と「内臓脂肪」について、それぞれ解説します。

女性に多い「皮下脂肪」

下半身太りの原因にもなるのが皮下脂肪で、一度つくと落ちにくく、女性に多いといわれます。皮下脂肪は皮膚と筋肉の間に分厚く溜まっているようなイメージですが、サシの入ったお肉のように筋肉の中につくこともあります。やせているのに体脂肪率が高い人はこのタイプかもしれません。

皮下脂肪と生活習慣病の関係性は現段階では認められていないものの、皮下脂肪が多くなると、体重が増加し、膝や股関節、背骨といった関節や骨の疾患を起こす可能性が高まります。逆に極端に少なすぎると、女性は女性ホルモンが乱れることにより月経不順や不妊のリスクが高まることもあります。

生活習慣病につながる「内臓脂肪」

男性に多いといわれるのが内臓につく内臓脂肪です。短期間でつきやすいですが、落としやすいのが特徴です。内臓脂肪は生活習慣病の要因のひとつになるため注意が必要です。

体脂肪率の正しい計り方と適正値

皮下脂肪と内臓脂肪の量をそれぞれ計るには、病院での腹部CT検査などが必要ですが、まずは家庭用の体組成計で「体脂肪率」を日々把握し、健康管理に役立てることから始めるとよいでしょう。

「体脂肪率」とは体重のうち脂肪の重さが占める割合です。適正体脂肪率は、女性は20〜24.5%、男性は10〜19%とされています。女性で30%以上、男性で25%以上の人は体脂肪量が多いといえます。

体脂肪率の目安

一般的な家庭用の体組成計では、脂肪がもつ電気を通さない性質を利用した「体電気インピーダンス法」という方法を用います。体に微弱な電流を流すことで脂肪の量を測り、身長、体重、年齢、性別などの基礎データをもとに算出します。計算式が異なる体組成計では数値が変わることがあります。

この測定方法は体内水分量や体温の影響を受けやすいのが難点で、測定条件によっても数値が左右されます。例えば、午後は体脂肪率が低く出やすい傾向にあります。なぜなら家庭用の体組成計は足裏から測定することが多いため、水分が下半身にたまりやすい午後は、体に流した電流が通りやすいからです。プラスマイナス1~2%は変動許容範囲内と考えていいでしょう。

健康管理のポイントはカラダの急激な変化を見逃さないことです。できるだけ同じ条件で継続的に測ることが大切です。同じ体組成計を使い、毎朝、起床してトイレに行った後に測ってみてください。

体脂肪率を下げるなら3点セットの運動を

体脂肪率を下げたい時には「ストレッチ→筋トレ→有酸素運動」という流れの3点セットがおすすめです。
まず「ストレッチ」で筋肉を伸ばしてカラダをゆるめ、筋肉が最大限動ける状態をつくります。続いて「筋トレ」をします。筋トレによって成長ホルモンが出て筋肉を太くする働きが活性化した状態で「有酸素運動」を行います。こうすることでカラダがより脂肪を燃やしやすい状態になります。
カラダの背面、背中、お尻、太ももの裏には大きな筋肉が集まっているので、これらを動かすことでエネルギー消費量がアップします。

〈3点セットの運動例〉

1.ストレッチ「キャット&ドッグ」

背中やお尻の筋肉を伸ばすストレッチで「キャット&カウ」とも呼ばれます。四つん這いになり、膝を肩幅に広げます。おへそを見るように頭を下げ、猫のように背中を丸めます。次に、犬のように顔を上げ背中を反ります。腰だけでなく背中全体を反りましょう。息を止めずにゆっくりと吐きながら、2つの動きを3~5回ずつ繰り返します。

2.筋トレ「踏み込みスクワット」

脚を前後に軽く開き、前に一歩踏み込むようにし後ろの膝を曲げながら上体を下げていきます。前の脚の膝が足先より前に出ないように気をつけます。上体を戻す際に、下腹部に力を入れて体幹を安定させると脚やお尻だけでなく、背中の筋肉も使うことができます。これを左右交互に脚を入れ替えて3〜5回ずつ行います。

3.有酸素運動「ウォーキング」

最後にウォーキングをします。脂肪燃焼のためには有酸素運動を30分以上続けることが推励されていますが、1回の運動時間にとらわれず、こまめに動くことでトータルの運動量を増やすことを意識しましょう。10分の有酸素運動を3回に分けて行っても30分の運動効果と大差ないという研究結果もあります。「短時間でも、やらないよりやったほうがいい」と心得、気軽に一歩踏み出してください。

なお、朝の時間帯の空腹時に有酸素運動をすると、その日1日、体脂肪が消費されやすくなる研究というもあります。体脂肪を落としたい時には「朝起きたら体脂肪率を計って3点セットの運動をする」という生活習慣を心がけ、体脂肪率の変化とカラダの変化を見守ってみてください。

SHIHOさん

SHIHOさん

健康運動指導士、栄養士、パーソナルトレーナー。筑波大学体育専門学群卒(体育学士)。運動と栄養指導の2つを専門に、幼児から高齢者まで多くの人の体の悩みやボディメイクをサポート。近年は歯や爪などから健康を考える取り組みも進めている。現在は、東京と札幌の2拠点で活動。地元札幌のテレビやラジオでも活躍。

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